カフェインレスコーヒーは何杯飲んでも安全?

2019-05-22

カフェインの健康への害から、最近注目されているのがカフェインレスコーヒーです。

カフェインレスコーヒーは、本来コーヒー豆が持っているカフェインを人工的な処理を加えることで、なくした商品です。

ですが、カフェインがないだけで選ぶのではなくて、健康の事を考えるとその製造法も知る必要があります。

今回はそんなカフェインレスコーヒーを、安全に美味しく選ぶ為に必要な注意点を紹介します。

そもそもカフェインレスコーヒーとは?入っている成分とは?

湯気が出るコーヒー

カフェインレスコーヒーとは、人間が人工的な方法で、コーヒー豆の中に存在しているカフェインを抜いたコーヒー豆やインスタント商品を指します。

多くの人がカフェインレスコーヒーという名称を聞くと、カフェインが全く入っていないコーヒーと勘違いしがちです。

ですが、実は日本の場合は何%と具体的に明記されていないのが現状です。

カフェインレスコーヒーが先に導入されたEUの基準ではコーヒー豆の場合は0.2%、インスタント商品の場合は0.3%と決められています。

つまり、カフェインレスと言っても、極微量のカフェインが含まれているので、病気で薬を飲んでいる場合は医師への相談することが大切です。

妊娠初期といった不安定な時期はあまり飲みすぎないことがポイントです。

妊婦の摂取目安は200mgでブラックコーヒなら2杯ほどが推奨と言われているため、カフェインレスコーヒーを成人の目安量5杯飲んでも届かないため理論上は健康への害は無いとされています。

しかし、カフェイン中毒やアレルギー、敏感な人はカフェインレスコーヒーでも飲みすぎない事が心がける必要があります。

カフェインレスコーヒーの商品を選ぶ注意点

カフェインレスコーヒーは、含まれているカフェインの量だけを気をつければ良いのではありません。

人工的にカフェインをコーヒー豆から抜いているため、その処理の工程によっては、カフェインよりも体に有害な物質を取り込んでしまう危険性があります。

カフェインを豆から抜く製造方法は主に3つあります。1つ目は、有機溶媒を使用した有機溶媒抽出法です。

有機溶媒抽出法の商品の特徴は、安価であることです。カフェインレスコーヒーを飲む初心者が、価格が安い理由で手を出してしまうと後悔する抽出法になります。

有機溶媒抽出法は、文字通りコーヒー豆を有機溶媒に浸して、カフェインを抽出させる方法になります。

カフェインは有機溶媒に溶けやすい特徴があるため、最初に開発された方法で、有機溶媒自体が安価なため採用されている手法です。

しかし、有機溶媒は食品添加物よりも毒性があるケースがあり、加えてこの手法で使用した有機溶媒の種類を商品から知ることができません。

また、風味でも劣るため選ぶにはおすすめできない商品です。

水抽出法は、高温の水を使用して、コーヒー豆を浸しカフェインを抜いた商品です。

この水抽出の場合は、有機溶媒抽出法に比べて安全性という点では良くなったものの、高温の水を使用することから、本来のコーヒーに含まれている美味しい成分も抽出されてしまいます。

加えて、高い温度を使用するため、高温で有効成分も壊されてしまうのです。

そのため、商品によっては、有機溶媒抽出法の商品よりも味や風味が劣るケースがあります。

選ぶポイントは超臨界二酸化炭素抽出法

安全で加えて美味しいカフェインレスコーヒーを選ぶポイントとは、ズバリ超臨界二酸化炭素抽出法の商品を選ぶことです。

超臨界二酸化炭素抽出法は、二酸化炭素を超臨界状態にした状態にコーヒー豆を入れてカフェインを抽出させる方法です。

ここで出てくる超臨界状態とは、液体と気体の中間の性質を持っている物質の形態です。二酸化炭素の場合は、超臨界状態になる条件がほぼ室温で高圧にすることで作り出すことができます。

この高圧で液体状態に近い二酸化炭素にコーヒー豆を浸すことで、カフェインを効率よく抽出することができます。

また、水抽出の様に高温では無いため、熱によってコーヒーに含まれている成分が壊れる心配が無いのです。

加えて、水自体を使用しないため、水分によってコーヒー豆に含まれている旨味成分も残すことができます。

更に、二酸化炭素自体人間の元々体内にある物質のため、有機溶媒抽出法の様に体に入って害をなす心配も無いのです。

超臨界二酸化炭素抽出法は、有機溶媒抽出法と水抽出の欠点をカバーし、安全性とコーヒーの美味しさを考えた抽出方法になります。

このカフェインレスコーヒーですが、販売されている商品の裏側で抽出方法が書かれているため、購入の際には確認することが大切です。

また商品の販売形式によっては、安全である超臨界二酸化炭素抽出をうたって有機栽培の商品のコーヒー豆を使っていないケースもあります。

特に、妊婦の場合は、使用しているコーヒー豆の栽培法と共に、超臨界二酸化炭素抽出法であるかどうかも確認することが大切になります。

photo credit: John Beans white ceramic mug and saucer with coffee beans on brown textile – Credit to https://myfriendscoffee.com/ via photopin(license)